慢性(化膿性)副鼻腔炎は、副鼻腔の炎症が慢性化したものです。原因は、風邪に関連した急性副鼻腔炎から続発することが多く、ほとんどは細菌感染によるものです。鼻中隔弯曲症なども発症因子となります。慢性副鼻腔炎では、鼻腔および副鼻腔粘膜が腫れるため鼻閉(鼻づまり)となります。また、黄色で粘りのある鼻汁がのどに垂れ込みます。さらに、眼、頬、前頭部周囲に重い感じがしたり、嗅覚障害も現れることがあります。
薬物療法ではマクロライド系抗菌薬や去痰剤を用いるほか、鼻腔や副鼻腔に薬剤を直接投与することを目的にエアロゾル(吸入)療法を行います。成人で、ポリープや腫れた粘膜により鼻腔と副鼻腔の間が閉塞している場合や薬物療法により改善しない場合には、内視鏡を使用して、ポリープや副鼻腔の腫れた粘膜と隔壁を除去し、副鼻腔と鼻腔を一つの空間として換気を良くして粘膜の状態を改善する手術を行います。術後にも、しばらくの間、薬物療法を行います。また、ご自身で鼻洗浄を行っていただきます。手術の詳細はこちら(PDF)→
1~2泊
好酸球性副鼻腔炎は、近年増加している難治性の慢性副鼻腔炎で、鼻茸や副鼻腔粘膜への顕著な好酸球浸潤を特徴とします。好酸球性副鼻腔炎の症状は他の型の副鼻腔炎と同じく、膿性・粘性鼻汁や鼻閉が見られますが、特に嗅覚障害が強いのが特徴です。合併症として、喘息、特にアスピリン喘息がしばしばみられるほか、好酸球性中耳炎を合併することもあります。
においが戻らなく、鼻づまりが続く場合(鼻茸が存在する場合)には、ステロイド(プレドニン、セレスタミン)を内服させます。これで鼻茸が縮小し、においが戻るなどの症状改善が認められます。しかし鼻茸が大きくなってくると、内視鏡を用いた手術を行います。術後は鼻の自己洗浄と薬物療法を行いながら、経過を見ていきます。術後の増悪時には、ステロイドを内服したり再手術を行うことがあります。
1~2泊
副鼻腔真菌症とは真菌(カビ)を原因として引き起こされる副鼻腔の炎症のことを指します。真菌は空気中に広く存在しており、通常は真菌によって副鼻腔に炎症が生じることはありませんが、悪性腫瘍や糖尿病の罹患やステロイドなどの薬剤を長期間使用して免疫力が低下している場合には、副鼻腔真菌症を発症する可能性があります。症状は、軽い頭痛や鼻水、鼻づまり、後鼻漏といった慢性症状のほか、真菌による副鼻腔の浸潤が強い場合には頭痛や視力障害、眼球突出、脳神経症状、局所の腫れなどの急性症状が現れます。
内視鏡を用いた鼻・副鼻腔手術により病変を除去し副鼻腔内を清掃します。ただし、真菌の副鼻腔粘膜への浸潤や隣接する臓器への炎症の波及を認める場合には高次医療機関での治療が必要となります。
1~2泊
副鼻腔嚢胞は、上顎洞などの副鼻腔に、水分が含まれる「嚢胞」と呼ばれるものが形成される病気です。嚢胞が大きくなったり感染症を併発することにより、頬の違和感や腫れ・痛み、歯の痛みなどが生じます。また、眼球の横にある篩骨洞(しこつどう)や蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)に副鼻腔嚢胞が生じると、眼球や視神経が圧迫されることで、物が二重に見える複視や、視力障害などの症状が引き起こされることもあります。
副鼻腔嚢胞の治療では、腫れや痛みがあれば内服薬(抗菌薬、消炎鎮痛薬など)を投与します。また、嚢胞の穿刺が可能な場合は穿刺吸引すると、症状は早く軽快します。
1~2泊
鼻中隔弯曲とは、鼻空間を左右に分ける鼻中隔が弯曲して歪んでいる状態を指します。多少の弯曲は多くので健常人で見られますが、鼻づまりなどの症状が生じている状態を鼻中隔弯曲症と呼びます。症状は、鼻づまりや息苦しさ、いびきのほか、鼻血が出やすかったり、頭痛が生じることもあります。また、副鼻腔炎の原因となる場合もあります。肥厚性鼻炎は慢性炎症により鼻の粘膜が肥厚した状態をいい、鼻づまりの原因となります。
症状の強い鼻中隔弯曲症や肥厚性鼻炎は手術的治療の適応となります。鼻中隔弯曲症に対しては鼻中隔粘膜下にある弯曲した骨や軟骨を切除することにより鼻中隔のゆがみを矯正し、肥厚性鼻炎に対しては肥厚している下鼻甲介の粘膜や粘膜下の骨を切除することにより鼻詰まりを改善します。多くの場合、これらの手術を組み合わせて行います。手術の詳細はこちら(PDF)→
1~2泊
アレルギー性鼻炎は、体内に侵入したアレルゲンに対するⅠ型アレルギー反応により、鼻づまり・鼻水・くしゃみといった症状を引き起こす疾患です。アレルゲンにはダニ、ハウスダスト、スギ、ヒノキ、ブタクサなどの植物の花粉、カビやペットのフケなどがよく知られています。
抗アレルギー薬、ステロイド鼻噴霧薬などの薬物療法を行います。アレルゲンを確認し回避することも重要です。各種薬物療法で改善がみられない重症のアレルギー性鼻炎の場合や、何らかの理由で薬物療法の継続が困難な場合に手術的治療が適応となります。外来で行うレーザー手術の他に、入院して全身麻酔下に行う手術治療では、鼻づまりの症状の改善の目的に下鼻甲介の粘膜や粘膜下の骨切除を、鼻水の症状の改善の目的には後鼻神経切断術を行います。手術の詳細はこちら(PDF)→
1~2泊
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